会社は無生物です。そのため、人でいう性格や生き方にあたるものを吹き込むために、経営理念が存在しなければなりません。これは会社設立当初から私が思ってきたことです。
現在の経営理念は以下のとおりです。
このほかに、「HiSCの綱領」と、社内向けに「物心両面の幸せ実現のための5つの指針」を定めております。
実は、この経営理念は三代目、3度の変遷を経てここに至りました。社長である私の心の変遷を映しているようでもあり、あえて過去の理念も振り返りたいと思います。
初代の経営理念
The Forefront!
私たちは、自分自身のバランスの取れたスキル向上が、お客様に利益をもたらし、それが会社の発展、社会への貢献、さらに自分自身への経済的なフィードバックとなることを理解し、株式会社HiSCの一員として次の理念を遂行いたします。
我々は技術業ではない、接客サービス業である。お客さま、エンドユーザー様一人一人の視点に立ったサービス提供を行う。
一人一人が接客、技術、営業のバランスのとれたスタンドプレーヤーとなる。技術、サービス、接客全てにおいて、Forefront(最高、最先端)である。
初代の経営理念
自分自身がプレイングマネージャー(というかプレーヤー)として働いていた当時、降って湧いたように一気に作ったのが初代の理念です。
今読み返すと、「俺も一生懸命働くから、社員のお前たちも頼むよ。お客様のために懸命に働くことが使命だよ」といった、ともすると苛烈に働くべし、という思いがにじみ出ています。
当初は壁に貼って社員に見てもらっていましたが、いつの間にかほこりをかぶり、倉庫に追いやられてしまいました。このような、社長の利己心から生まれた理念を掲げていたことが、前述の「失われた10年」を迎えた遠因のひとつであったと考えています。
二代目の経営理念
パートナーシップで実現する
幸せ創造企業
社内のパートナーシップ
お互いに協力し合い、技術力と人間性を高め、物心両面の幸せを実現しよう
お客様とのパートナーシップ
お客様に感謝と尊敬をいただけるよう、一つでも多くのお客様の幸せを提案しよう
お取引先様とのパートナーシップ
お取引先様と共に協力し合い、お互いに発展できる幸せを実感しよう
社会とのパートナーシップ
広く国際社会にまで目を向けて、その進歩発展と幸せ創造に関わっていこう
二代目の経営理念
深い反省のもと、「これではいけない」と思い、一気に書き上げたのが二代目の理念です。
今までないがしろにしてきた従業員に思いをはせ、会社円満、従業員満足第一主義を掲げました。この理念は長く浸透し、会社に存在感を与え続けたと思います。
しかし、次第に「パートナーシップ」だけでは安住してしまい、円満は確保できても、高尚な目標に向かって皆で会社を高めていく機運は生まれませんでした。いわば「ゆでがえる」の状態です。危機感を抱き、指摘も受けるようになりました。
30周年に向け、さらに高い目標に挑むため、三代目の理念を制定しました。
会社全体でそれぞれ自分自身を高め、お互いを 慮って、目標や課題に真摯に取り組む。その先にある高い物心両面の幸せの実現と、社会的責任の徹底を果たす――これを明確にしました。
書家泉田佑子先生に揮毫いただいた一意専心・寛容